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2007/03/01

浜名湖の潮の満ち引きの謎(潮干狩り)

捕るのが楽しく、食べても美味しいアサリの潮干狩り。

浜名湖では、この潮干狩りが一番のレジャーと言えると思います。
浜名湖で潮干狩りには、楽しみ方や注意事項などをまとめてあります。

そして潮干狩りをする時に気になるのが、干潮時間や、大潮はいつなのかでしょう。

このはまにゃこぶろぐでも、潮干狩りカレンダー(浜名湖の潮見表)作成して公開していましたが、その中に「同じ浜名湖でも場所によって潮の満ち引きの時間に差が出ますし、天候でも多少の時間差があります。」という注意事項を書いています。

どうしてこの様な事が起こるのでしょうか?

原因は浜名湖の特殊な地形のためです。
浜名湖には、3億3000万トンの水があると言われていますが、その水が外に出る場所は今切口の約200メートルほどのわずかな幅しかありません。
その今切口を一日、4000万トンもの水が出入りすると言われています。
NEC_0079

この今切口の存在が浜名湖内の潮の満ち引き(水位の変化)を複雑にしています。
海が満潮になっても浜名湖はその高さまで潮が満ちてきません。
これは、今切口によって湖内への海水の流入量が制限されるためです。
満潮が終わり外海で潮が引き始めても、浜名湖内の方が低いので海→浜名湖の流れは止まらず浜名湖内の水位は上昇します。
海と浜名湖の高さが同じになってから、海←浜名湖の流れに変わり、浜名湖で潮が引き始めます。
逆に海が干潮になっても浜名湖は、その高さまで潮が引きません。 
これもまた今切口から出ていく水の量に制限が出るためです。
干潮が終わり海で潮が満ち始めても、しばらくは浜名湖内の方が高いので、海←浜名湖の流れは続きます。
なので、舞阪港の干潮時間と、村櫛などの浜名湖内とでは満・干潮時間が変わってくるのです。
村櫛で約2時間、細江湖、猪鼻瀬戸で3時間の潮変わり(満干により潮向きが逆になること)の時差が出ると言われています。
今切口を通る水の早さは一定ではなく、大潮の時が一番流れが速くなります。また狭い所ほど流れが急なので危ないです。

そして更に浜名湖の潮位を複雑にしている要素があります。
まず、海の潮位
遠州灘に黒潮が接岸したり、台風などでの高波が連日押し寄せたりすると海が高潮の状態になります。
海の潮位が高いと、浜名湖内の水が出られなくなり(海→浜名湖の水の出入りが多い状態)、浜名湖内も高潮となります。
次に、都田川などの河川からの流入です。
河川からの流入量は天候によって変化します。大雨や台風などが来れば沢山の水が浜名湖内に入ってきます。
普通の川なら水量が増えてもそのまま海へ流れていってしまいますが、都田川などの河口ともいえる今切口はあまりにも狭い・・・
そのため海の潮位が下がって、海←浜名湖に流れる時間だけでは、浜名湖内に溜まった水を海まで出す事が出来ず、これもまた浜名湖内が高潮になります。
湖内が高潮の状態になると、あさりの漁師さんなどは漁をするのが困難になったりします。

この今切口の存在のため、浜名湖内の水が海に出にくいという構造は、浜名湖の一部と考える事も出来る佐鳴湖の水質にも影響しています。
悪い面だけではなく、このような珍しい環境のため、色々な生き物が生息しているとも言えるので奥が深いですね。

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