食品添加物「アカネ色素」に係る食品安全委員会への食品健康影響評価依頼について(厚生労働省)
国立医薬品食品衛生研究所から食品添加物であるアカネ色素について実施しているねずみ(ラット)を用いた発がん性試験等において、未だ全ての試験結果は得られていないものの、腎臓に対し発がん性が認められたとの中間報告を受けました。
厚生労働大臣は食品安全委員会委員長に対し、アカネ色素に係る食品健康影響評価を依頼し、その結果、「人の健康を損なうおそれがある」旨の評価がなされた場合、厚生労働大臣は、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いた上で、既存添加物名簿からアカネ色素を消除し、その使用等を禁止することになります。
薬事・食品衛生審議会の検討が終了するまでの間、一時的に、アカネ色素の製造・販売・摂取等について下記のような取扱いになります。
(1) 営業者に求める事項
・ アカネ色素の製造・販売・輸入等の自粛
・ アカネ色素を使用した食品の製造・販売・輸入等の自粛
(2) 一般消費者に求める事項
・ アカネ色素を使用した食品の摂取を控えること
「着色料(アカネ)」や「アカネ色素」など、添加物としてアカネ色素を使用した旨の表示が義務づけられているので、使用している製品の判別は一般消費者にも楽だと思われます。
アカネ色素は、既存添加物名簿に登載された天然添加物で、アカネ科の植物であるセイヨウアカネの根から作られた粉末状の製剤で、黄色~赤紫色を呈し、水産ねり製品、畜産加工品(ハム等)、菓子、冷菓、珍味、米菓、農産加工品などに使用されている。(こんぶ類、食肉、鮮魚介類、茶、のり類、豆類、野菜類、わかめ類に使用することは禁止されています。)
アカネ色素製剤は、アカネ色素の他、色素の安定化の為L-酒石酸ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム、炭酸カリウム、ピロリン酸四ナトリウムや、消泡の為シリコーン樹脂などの添加物も入っていますが、それらはキャリーオーバー扱いで表示されることはありません。
以前から、合成添加物は危険、天然添加物は安全と括ってしまう考え方は間違いもあると言われていますが、今回の件はそれが実証された形となりました。
実際にアカネ色素は、数年前に一部生協などの運用基準で不使用添加物とされ、安全性に勝る必要性や有用性は認められないと判断されていましたので、その判断があっていたって事ですね。