デジタル一眼レフカメラによる飛行機撮影(露出の考え方)
デジタル一眼レフカメラによる飛行機撮影(露出の考え方)
露出があっているかどうかは、写真においてとっても大切なことです。
ただ適正な露出であるか否かは、個人の好みの問題や演出などによって異なる場合があります。
一般には明るさが適度で物の輪郭や色彩がハッキリと見える状態を適正露出、明るく白っぽくなっている状態を露出過多(露出オーバー)などと呼び、暗く黒っぽくなっている状態を露出不足(露出アンダー)と呼びます。
デジタル一眼レフカメラには自動露出機能が付いていますので、自分でマニュアル露出のモードに変更しない限り、そこそこ上手に露出を合わせてくれるかと思います。
でも便利な自動露出機能ですが欠点もあります。
それは、白い物を大きく撮影するとき明るいとカメラが判断して暗く写るようにしてしまい白い物がグレーに写る場合と、黒い物を大きく撮影するとき暗いとカメラが判断して明るく写るようにしてしまい黒い物がグレーに写る場合です。曇り空の場合も背景に露出があい、飛行機が暗く写ります。
これはカメラの露出計が撮ろうとしているものが反射してくる明かりを測って露出を判断しているためで、真っ白(真っ黒)な背景に小さな黒い物(白い物)も苦手だったりします。他にも逆光(カメラを太陽など明るい方向に向けた状態)も苦手だったりしますし、暗いところに小さな強い光があるシーンも苦手です。
最近はRGBセンサーを積んでその情報を露出設定に利用したり、キヤノンの7Dのように測距点の情報を利用するなど、どんどん進化していますが、完全に克服することは出来ませんので、撮影者が露出補正を行う必要が出てきます。
順光の例
太陽や照明が撮影者の背後にある状態が順光です。
写したい物にきれいに光が当たるので色も綺麗に出ます。
逆光の例
太陽や照明が撮影者の正面にある状態が逆光です。
写したい物が陰になってしまうので、色などは判り難くなります。
撮影時に+1.0の露出補正をかけて、機体が明るく写るようにしていますが、背景の空が露出過多になり色が飛んでしまっています。
露出補正を行うことで、完全に飛行機が黒く潰れて写ることを防ぐ事ができますが、色も綺麗に出ませんし、背景となる空が露出オーバーで明るくなってしまいます。(白っぽくなるので、白トビとも言われます。)
逆光を防ぐのに一番重要なのは、撮影するポジションとなります。
曇天の場合はあまり気にしなくても大丈夫ですが、晴天の時は自分が飛行機を撮るときに太陽が自分の背側になるように場所を選ぶ必要が出てきます。これは、撮影しに行く場所の滑走の向き、風向き、季節の違いによる太陽の位置の変化、離陸・着陸など撮りたいシーンを考慮して決定します。どの飛行場や基地でもそうですが、どこからでも好きなように撮影が出来るわけではありませんので、立ち入り禁止の場所に入らない、警備員さんなどの指示に従うなど、他の方の迷惑にならないよう配慮して行動してください。
暗いところに小さな強い光があるシーン
日没後にタッチアンドゴーをしていたE-767
ここまで暗くなるとISO感度を上げて、絞り開放にしても1/100秒のシャッター速度がやっとでした。
デジ一じゃなかったら、フィルム代と現像代が勿体無くて撮影しようとすら思わないシーンです。
40D EF300F4LIS+1.4x 1/100秒、F5.6
着陸灯が明るいので、普通に撮るとシャッタースピードが速くなって機体が真っ暗になってしまいますので、マニュアル露出でシャッター速度などを決めています。ちょっとカメラを動かして構図を変えただけで大きくシャッター速度が変化するような明暗の差が激しい時は手動で露出を調整したほうが楽になります。(デジカメだから液晶画面を見ながら、どんな風に写るか確認して設定出来ますからね。)
緑色の染みは、強い光源が映りこんでいるため発生したゴーストです。
曇り空のシーン
逆光ほどでは有りませんが、曇天も露出補正が必要です。
そのまま撮ると機体が、真っ黒なシルエットになってしまいます。
プラスで2/3段ほど補正すると機体が見えてきますが、晴天順光で撮ったのと較べると発色などもイマイチです。
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