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2009年8月26日 (水)

デジタル一眼レフカメラによる飛行機撮影(望遠レンズ編)

ボディ選びも大切ですが、写りに一番影響するのがレンズ選びです。
レンズの良し悪しで色・艶の写りが大きく変わります。またモーターの有無や種類の違いによりピントの合うスピードも変わってきますので、動く物を撮るときにはピントが合う成功率も変わってきます。
望遠レンズというと35ミリフィルム換算で、200ミリ以上の焦点距離となります。

2010年1月26日訂正
ニコンの、AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II、AF-S NIKKOR 300mm F2.8 G ED VR II、キヤノンのEF70-200mm F2.8L IS II USMを追加しました。
飛行機ファンとしては、ニコンのAi AF VR Zoom Nikkor ED80-400mm F4.5-5.6Dとかサンヨン、キヤノンのEF100-400mm F4.5-5.6L IS USMを早くリニューアルかけて欲しいのですが・・・

2010年4月28日訂正
ニコンからAF-S NIKKOR 200-400mm F4 G ED VR IIが発表されました。
これでニコンは、大口径望遠レンズのリニューアルが一通り終わった感じですね。


ニコン
用語:AF-S(レンズにモーターが内蔵されたタイプ)、AiAF(レンズにモーターが無いタイプ)、DX(APS-Cボディ用レンズ)、VR(手ぶれ補正機能)、ED(特殊低分散レンズ使用)、D(絞り輪が付いたタイプ)G(絞り輪が無いタイプ)、IF(レンズの前玉が回転しないタイプ)、
AF-S DX VR Zoom Nikkor ED55-200mm F4-5.6G(IF):軽くて手ぶれ補正機能もあり手ごろなレンズです。滑走路が近い基地やブルーインパルスが編隊を組んで飛んでいるシーンを撮るのに便利です。ボディも新しく買う場合ダブルズームレンズセットを選択すると割安で購入出来ます。DXレンズなのでFX(フィルムサイズセンサー機)で使用すると、APS-Cセンサーサイズだけを使用して撮影されます。



AF-S DX 55-300mm F4.5-5.6G VR:D3100ダブルズームキット用として新しく開発された比較的安価な望遠ズームレンズです。ペンタックスやキヤノンの入門機が250~300mmの望遠レンズがキット用に用意されていたのに対し、ニコンは200mmまでのレンズでしたから、運動会シーズン用に望遠を強化してきた感じでしょうか。

-----5万円-----


AF-S VR Zoom Nikkor ED70-300mm F4.5-5.6G(IF):APS-C機と組み合わせると、450ミリ相当の望遠レンズとなります。近くに飛んできた時なら、そこそこ大きく撮影することも可能です。運動会で子供のアップを撮るのにも便利なので奥様を説得するときに使えます・・・

-----6万円-----
-----10万円-----


Ai AF-S Nikkkor ED300mm F4D (IF):ズームレンズとは一味違う描写が味わえる単焦点レンズ、テレコンバーターと組み合わせるのも良いですね。
野山を歩きながらの野鳥撮影にもお勧めです。

Ai AF VR Zoom Nikkor ED80-400mm F4.5-5.6D:焦点距離的には飛行機撮影に便利で扱いやすい画角なのですが・・・手ぶれ補正が付いているものの、設計の古いAiAFレンズなのが・・・レンズ内モーターレンズ化(AF-S化)が待たれるレンズです。ボディにパワーのあるモーターを積んでいる高級機(D1,D2,D3)だとAFがそこそこの速さで使えます。(D40,D60,D3000,D5000ではマニュアルフォーカスとなります。)

AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF):明るいレンズなので、飛行機撮影ではテレコンバーターと組み合わせて使うのがお勧めのレンズです。もとのレンズがオートフォーカスの早いレンズなのでテレコン使用による速度低下はあまり気になりません。

-----20万円-----
AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II :約4段分の手ブレ軽減効果を発揮する「手ブレ補正(VR II)」を搭載、7枚のEDレンズを採用し、新規光学設計された新型レンズです。

-----40万円-----
AF-S VR Nikkor ED 300mm F2.8G(IF):通称VRサンニッパ、ボケの美しいレンズ、重量もこのクラスから一気に重くなってきます。テレコンバーターを付けても画質の劣化が少ないのが魅力です。

-----50万円-----
AF-S NIKKOR 300mm F2.8 G ED VR II:まさかリニューアルがあるとは予想外だったサンニッパの新型です。光学系に変更が無いため、旧型との価格差でどちらを選ぶか悩みそうです。

-----70万円-----


AF-S VR Zoom-Nikkor ED 200-400mmF4G(IF):高価で重い割には中途半端な性能です。コレを買うならゴーヨンへ行っちゃうでしょう。

-----80万円-----

AF-S NIKKOR 200-400mm F4 G ED VR II:2010年5月28日発売 従来機種からの変更点は、手ブレ補正機構が「VR II」になり、補正効果がシャッター速度約3段分から約4段分になった。ゴーストやフレアに効果があるナノクリスタルコートを採用などです。重量は約3,360g

AF-S Nikkor 500mm F4G ED VR::通称VRゴーヨン、軽自動車を買うのと変わらない価格になってきます。このクラスが欲しいなぁと考えるようになったら重症です。10年使えば年間8万円とか、大切に使えば手放すときも高く売れるとか、色々自分への言い訳を考えてしまうかも・・・機動飛行中の戦闘機や離陸後ひねった所をアップで撮りたくなると欲しくなりますが使いこなすのはそこそこ難しいです。

-----100万円-----

AF-S Nikkor 600mm F4G ED VR:通称VRロクヨン、野鳥撮影の標準レンズですが、手持ち撮影がメインとなる飛行機撮影では重さが辛いです。

キヤノン
用語:EF-S(APS-Cボディ専用レンズ)、IS(手ぶれ補正)、USM(超音波モーター使用)、L(高級レンズシリーズ)
EF-S55-250mm F4-5.6 IS:APS-C専用のEF-Sレンズ、超音波モーター(USM)では有りませんがそこそこ早いAFとクリアな写りです。コンパクトで軽いので気軽に持って出掛けることができます。kissシリーズのダブルズームセットのレンズとして割安な価格が設定されています。

EF100-300mm F4.5-5.6 USM:安価なレンズですが、300ミリの望遠側では色の滲みも多く、現在発売されているデジタル一眼レフと組み合わせるのはお勧めしません。
-----5万円-----
EF70-300mm F4-5.6 IS USM:APS-C機と組み合わせると、480ミリ相当の望遠レンズとなります。近くに飛んできた時なら、そこそこ大きく撮影することも可能です。運動会やスナップにも便利です。

-----7万円-----
-----10万円-----
EF70-200mm F4L IS USM:Lレンズならではの鮮やかな発色のレンズ、約4段分の手ぶれ補正機能も付いています。1.4倍のエクステンダーとの組み合わせも使えます。(画質は劣化しますが・・・)

EF400mm F5.6L USM:手ぶれ補正の無い古いレンズですが、写りは非常に良いです。オートフォーカスもそこそこ早いです。使いこなす腕があれば良い写真が撮れる上級者向けのレンズといえます。
EF300mm F4L IS USM:約2段の手ぶれ補正機能がついたレンズ、オートフォーカスのスピードは遅く、一度ピントを外すと復帰が遅いのが欠点です。1.4倍のエクステンダーと組み合わせると420mmF5.6となります。価格の安さと写りを最優先にするならEF400mm F5.6L USM、そこそこの写りと手ぶれ補正機能が欲しければコチラでしょうか?

-----15万円-----


EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM:飛行機撮影で最もメジャーなレンズです。コンパクトに収納できる持ち運びの良さ、手ぶれ補正機能、十分使える速さのオートフォーカス、編隊飛行からソロ飛行までカバーできる使い易い焦点距離のズームレンズです。ただ欠点が全く無いわけではなく、望遠側(テレ端)の画質がやや甘いですが絞り込む事で改善します。このレンズを使いたい為にキヤノンを使い続けている方も多いレンズです。

EF70-200mm F2.8L IS USM:ニコンではEF100-400mm F4.5-5.6L IS USMに該当するレンズが無いため、70-200F2.8にテレコンバーターを組み合わせて使用するのがお勧めですが、キヤノンでは飛行機撮影の為にこのレンズを選択するのはお勧めし難いです。室内スポーツや女性のポートレート撮影をメインとし、たまに飛行機も撮りたいななら良いと思います。

-----20万円-----


EF70-200mm F2.8L IS II USM:従来製品のUDレンズ4枚から、特殊光学材料のレンズを蛍石1枚、UDレンズ5枚に増強し、従来製品から1段向上したシャッタースピード換算で約4段分の手ブレ補正効果が特長の新型レンズです。

-----40万円-----

EF300mm F2.8L IS USM:通称サンニッパIS、重くて高価ですが、ピントがあった場所はビシッ、それ以外の所はとろける様なボケ味が魅力のレンズです。買うからには長く使いたいレンズですが、キヤノンの超望遠レンズ群はそろそろ更新の可能性もありますので、買い時に悩みそうです。

-----40万円-----

-----70万円-----


EF500mm F4L IS USM:通称ゴーヨンIS、何とか手持ちで振り回せる重さの望遠レンズです。機動飛行で遠くを旋回しているイーグルの背中を撮りたい!!とか、撮りたいシーンが具体的になったら欲しいレンズです。

-----80万円-----


EF400mm F2.8L IS USM:通称ヨンニッパIS、夕方など暗いシーンでシャッター速度を少しでも稼ぎたい時に使えます。ワールドカップやオリンピックでもよく使われているレンズですが飛行機撮影だと、かなり特殊な条件が多くないと選択肢に入らないと思います。

-----90万円-----


EF600mm F4L IS USM:通称ロクヨンIS、大きく重いレンズなので、上空を飛び回る飛行機を撮るには手持ちが結構辛いレンズです。購入されるかたは一度キヤノンのサービスセンターなので実物を持たせてもらうことをお勧めします。
※2011年にリニューアル品の発表がある事が予告されています。
-----130万円-----

EF800mm F5.6L IS USM:通称ハチゴロー、贅沢にも蛍石レンズを2枚、スーパーUDレンズ、UDレンズも使用するなど、こだわった設計のレンズとなっています。4.5キログラムとロクヨンISより軽いのも特徴です。野鳥撮影に使用している方はちょくちょく見るようになりましたが、飛行機撮影に使用している方はまだ1名しか見たことがありません。


見たことも無い記号や数字の組み合わせだらけで判り難いのですが、ルールを覚えると理解しやすくなります。
mmの前に書いてある数字が、レンズの焦点距離、Fの後ろに書いてある数字が絞り値となります。
この値がどうなるかは数式で決まっています。
焦点距離÷レンズの直径=絞り値です。
300mmの焦点距離で、レンズの直径が75ミリだと、300/75=4なので、F4ということになります。
絞り値が大きいほど暗いレンズ、小さいほど明るいレンズと言う事になります。
基本的にレンズの値段は硝材の材質、大きさ、重さによって変わってきます。
キヤノンの高級レンズに好んで使われている蛍石(フローライト)は、高価であることが知られていますが、直径が大きいレンズ=体積があり重くなるに使用すると高価になります。(柔らかくて傷が付き易いため一番前のレンズに使われることはありませんが・・・)
判りやすいのが20万円のラインです。
20万円までのレンズは77ミリのフィルターがつけられるサイズ(300mmF4,400mmF5.6)ですが、これ以上のクラスになると価格が一気に倍近くに跳ね上がってしまいます。

ボディ選びも大切ですが、写りに一番影響するのがレンズ選びです。
デジタル一眼レフボディは、半導体の技術が進歩し歩留まりが向上したりするとセンサーの価格が下がり、ボディの価格も下がる可能性があるのですが、レンズの場合は価格の変化はほとんどありません。
また良いレンズは長く使える(電子制御の部品が多くなって壊れやすくなった気がするけど)ので、ボディよりもレンズに予算を多く割くことをお勧めします。

カッコイイ飛行機をキレイに撮りたい!!飛行機撮影の定番?アイテム


予算10万以下コース(2010年9月23日更新)

ボディ単体と70-300mmクラスの望遠ズームを組み合わせて10万以下にまとめる方法もありますが、圧倒的にお得なのが、入門機のダブルズームキットです。 KissX4も発売からしばらく経ち、価格が安くなりました。 後からEF-S55-250を買い足すよりダブルズームキットで購入した方がお買い得となっています。 しばらく使ってみて不満点が出てきたら、400mmクラスの望遠レンズを追加するなどがお勧めです。(レンズだけで15~20万円程の予算となります。) 300mm程度のレンズだと250mmと差が無くて買い足しても満足出来ないと思います。
ニコンの入門機は、他社に対抗して望遠ズームレンズの新型を投入してきました。 従来の200mmまでのズームレンズでは、飛行機撮影にはちょっと物足りない感がありましたが、300ミリまであれば、最初は十分じゃないでしょうか?

10万円以下で望遠レンズも手に入る入門機のダブルズームレンズキットは、運動会撮影などで非常に大きなニーズがありますので、各社非常に力を入れているシリーズが多いです。
また、メーカー同士のシェア争いのほか、販売店同士の競争も激しいため、安く買いやすい機種でもあります。

作例1 オートボルティージュにて百里基地救難隊デモ
EOS 5D 200mm
5d200

EOS 40D 300mm×1.4倍エクステンダー=420mm APS-Cのため35ミリフィルム換算に直すと672mm
40d420
ほぼ同じ所から撮っていますが、レンズの焦点距離の違いでこれだけアップになります。

作例2 入間基地航空祭 百里基地救難隊デモ
EOS 5D 300mm
5d300

EOS 40D 200mm APS-Cのため35ミリフィルム換算に直すと320mm
40d200
これも同じ場所から撮っていますが、フルサイズボディに300mmレンズの組み合わせとAPS-Cボディに200mmの組み合わせでほぼ同じ大きさに写す事が出来ます。

作例3 ブルーインパルス
EOS 5D 300mm
5d3001

EOS 30D 200mm APS-Cのため35ミリフィルム換算に直すと320mm
30d200

EOS 40D 200mm×1.4倍エクステンダー使用=280mm APS-Cのため35ミリフィルム換算に直すと448mm
40d280
ブルーインパルスの場合は、スピードがそれほどでもなく、広い範囲を低空で飛び回りますので、300mmのレンズでもそれなりの大きさに撮る事が可能です。

作例4 F-2
40D 300mm×1.4倍エクステンダー=420mm APS-Cのため35ミリフィルム換算に直すと672mm
40d4201
小さな戦闘機をアップで撮るには35ミリフィルムサイズに換算して600mm以上のレンズ(APS-Cボディ使用で400mm)が欲しいところです。


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コメント

最近、飛行物撮影に力?をいれています。
画像付きの各レンズの解説、とても参考になりました。

ロ-ロ^turubouさん、こんにちわ
少しでも参考になったみたいで良かったです。

とても参考になります。
今年9月に初めてデジイチで動画も撮れるDMC-GH1Kを買いました。
その後近くで航空祭(岐阜)がありその後浜松、小松と出かけました。
戦闘機撮影がこのカメラ、レンズですとシャッタースピードも遅く写りも小さくなってしまいます。
今戦闘機撮影など望遠の為のカメラを新たに買おうか?迷ってます。
EOS7Dなども出て興味を引きますが、
持病の為重いカメラ、レンズは辛くいろいろ調べあなた様のWebにたどり着きました。

作例4のような写真が撮りたいのですが、
300mmレンズとはEF70-300mm F4-5.6 IS USMでしょうか?
カメラは中古で40Dを買おうと思ってます。
よろしくお願いします。


ito747さん
こんにちわ
ご質問の作例4に使用しているレンズですが、EF300mm F4L IS USMとなります。キヤノン純正のテレコンは、EF70-300mm F4-5.6 IS USMに物理的に付かない構造となっているため使用することは出来ません。(社外製のテレコンを使用することは可能ですが40DではAFが動作しません)
EF300mm F4L IS USMとEXTENDER EF1.4X IIの組み合わせは、ボディと合わせると2キロ以上の重さになります。
このレンズに限らず、EF100-400mm F4.5-5.6L IS USMなど400ミリ以上の望遠レンズとなると重さはどれも似たり寄ったりです。
無理をしてお体を壊されると大変なので、この重さのものを会場まで運んだり、上空へ向けて何分も構え続けることが可能かどうか、しっかりと判断してください。ヨドバシカメラなどの大型店やキヤノンのサービスセンターが近くにあるようでしたら、一度手に持ってみると感じがつかめると思います。

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